3月21日(晴れ)

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スイッチ・バック

今日は早起きしてバスに乗り大阪へ帰還です。満開の桜も一旦見納めで、次は大阪でもう一度。前半の乗り合いバスは狭くて窮屈でしたが、博多からは溜まってたポイントを使ってグリーン車で大阪まで。乗客自体少ない感じで、後半はゆったりと快適な旅を楽しめました。車内で、ちょうど5年くらい前に読んでいた小説を再読し始めたら面白くて、一気に最後まで読んでしまいました。タイトルは森博嗣の「今はもうない」。あまりにも切れ味が凄くて、後半はただひたすら溜息です…。やっぱりS&Mシリーズの後半から、Vシリーズの前半、そしてスカイ・クロラが森博嗣作品の最高峰、と再認識。5年前にはほとんどの伏線に気が付かず、さらりと流し読みして終わった自分に呆れたりもしますが、また10年後に読んだら同じ感動が得られるかも、と思うと、楽しみだな、などとも思い直したり。

本の中の言葉のうけうりですが、真理は奥深く隠れたところにある、と形容されることが多いけれども、最初から表面にある場合だってあり得るはずです。そう、まさに最初から答えはそこに提示されているのに、それを見ることができないのが人間です。どんなに見よう見ようと思っても、何を観察したいのかという確固とした目標が予め定められていなければ、何も見ていないのと同じです。

「どう違うんですか?洗練と最適は」
「最適ではないものを許すことが洗練だ」
今はもうない - 森博嗣

だからといってそれを卑下する必要など無く、その自覚と共にどう生きるかが大事なんだ、とそういうメッセージを受け取ったような気がします。自分の人生のスイッチ・バックは、まさに、今ここにある、のかもしれません。否、そう信じて次の斜面を登らなければなりません。


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