読書の記録『小説家という職業』

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読書の記録


小説家という職業

森博嗣, , 2010-12-19, ***--

毎日、時間があったら作品を書こう。本当にこれに尽きる。
僕は、「人間関係の軋轢の中で、なんとか自分の立場を守る」ことがビジネスだとは考えていない。それは、給料をもらうための方策かもしれないが、ビジネス、すなわち「商売」ではない。
腹が立つこと自体が、自身がない証拠だし、笑って聞き流せない思考力、想像力では、創作という行為においては明らかに能力不足だろう。
1度でも破れば、10回守り続けてきたことが無になる。信頼というのは、築くに難く、崩れるに易いもの。
人間というのは本来、思い込もうとする、不自由になろうとする生きものなのである。規定され、道が標され、不自由になることは「気楽」なのだ。
よく売れるほど、その作品に合わない人へも本が行き渡るから、低い評価を受ける結果になる。逆に、もの凄くマイナで部数の少ない本は、コアなファンだけが買うので評価が高い。
現役の人間が語っているノウハウというものは、必然的に信用できない。既に通用しなくなった手法が述べられていると考えて良い。