読書の記録『知りたがりやの猫』

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読書の記録


知りたがりやの猫

林真理子, , 2010-06-08, ***--

彼女はみじめったらしい男と付き合う、女の気持ちが知れないというのである。家庭もうまくいかず、仕事も諦めかけた男の、慰めの対象などにされてたまるものですかとも言った。満ち足りた男が、さらに贅沢を求めて恋をしようと思う。そういう付き合いでなければいけないのだそうだ。
「あなたって作家のくせに、よくそんなこというわね。本当に愛しているのと、本当に愛していないのって、いったいどんな差があるって言うのよ。本当の愛情なんてものを口にしていいのは、十五歳以下の子どもだけよ」