読書の記録
迷宮百年の睡魔 森博嗣, , 2012-01-29, 一人が淋しいとは思わない。けれど、誰かと一緒にいられるということは、正直言って少し嬉しい。 人間は自分で考えたものだけで空間を埋め尽くそうとする。そういうものを純粋で理想的なものと認識する傾向にある。曼荼羅は、すなわち、その種の脳の欲望をシンボライズしたものだ。 知りたい、と今思っている、この状況が、なにかを忘れさせてくれる。知りたい知りたい、と遠くどこかへ向かっていれば、身近な周囲に視線を向けなくても済む。後ろを振り返らなくても良い。それが、僕を生かしてくれている。 いつかは死ぬから、 生きていられるんだ。 だから、 悲しいことも、苦しいことも、すべて、 待ってもらえる。 死ぬまで、待ってもらって、 全部、死んでから、泣けばいい。 「人が生きているのは、けっして自分のためばかりではないのです。自分以外に生かされ、また、自分以外を生かしている。そういう一連のシステムなのです」 今は不思議でも、いずれは明らかになります。不思議とはつまり、将来の理解への予感ですね。 手を伸ばせば、自分の指先よりもずっと小さい月を、何故、人間はこんなにも大きく見ることができるのだろう。 「願うという行為は、なにかが必要だと信じることです」 |
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