読書の記録『なぜ君は絶望と闘えたのか』

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読書の記録


なぜ君は絶望と闘えたのか

門田隆将, , 2011-02-26, ***--

「君は特別な経験をした。社会に対して訴えたいこともあるだろう。でも、君は社会人として発言していってくれ。労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。君は、社会人たりなさい」
戦後、「人権」といえば、犯罪者の権利であると誤解させる風潮が蔓延した。二重三重に守られるのは、加害者の側であって、理不尽な犯罪によって命を絶たれたり、後遺症で将来を奪われた被害者の声はほとんど無視されてきた。
「僕にも、小さな娘がいます。母親のもとに必死で這っていく赤ん坊を床に叩きつけて殺すような人間を司法が罰せられないなら、司法は要らない。こんな判決は認めるわけにはいきません」
どうして少年の場合は匿名報道にするんですかと、取材に来られた記者の方に聞くと、少年の人権を侵害してしまうからですと言われるんです。じゃあ、あなたたちは、被害者の名前というのは、なんら許可なく報道してますが、それは人権の侵害にならないんですか、と聞くと、誰も答えられない。
本村は、死刑制度というのは、人の生命を尊いと思っているからこそ存在している制度だと思っている。残虐な犯罪を人の生命で償うというのは、生命を尊いと考えていなければ出てくるものではないからだ。