読書の記録『日本はなぜ貧しい人が多いのか』

日本はなぜ貧しい人が多いのか

原田泰, , 2010-07-10,

日本の地方に豪邸街のないことが、地方の発展を妨げ、日本の政治家の質を引き下げている。

ジニ係数とは所得が全く平等ならばゼロ、１人の人がすべての所得を得ていれば１となる不平等度の指標である。

90年代から最近まで、若者が正社員になることが難しかったのは経済が停滞していたからだ。小泉改革と格差拡大とは何の関係もない。

保育料は所得を得るための必要経費として、所得から控除することを認めるべきだ。出生率が2を超えているアメリカでは、これが認められている。

豊かな人々が社会全体の富を増進しており、貧しい人々も豊かになっているのなら、格差はあまり問題としなくても良いのではないだろうか。

日本の女性が、28歳で出産育児のために会社を辞めて2人の子供を34歳まで育てるとすると、犠牲にしなければならない所得は2735万円である。（中略）こうなると、この女性の家族は、2735万円＋2億1058万円の所得をあきらめなければならないことになる。

そもそも石油がなければ肥料や農薬を作ることはできず、トラクターも動かないので農産物は生産できない。生産できたとしても、トラックも走らないのだから、都会には運べない。農産物の自給率だけを問題にすることに、どれだけの意味があるのだろうか。