読書の記録『すべてがEになる』

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読書の記録


すべてがEになる

森博嗣, , 2012-04-21, *****

会社でWWWを禁止されていたり、メールを出せないところってあるんです。秘密漏洩を防止するとかって、名目つけてますけど、まあ、ようするに頭の古い上層部のやっかみと思って間違いないでしょう。秘密漏洩が気になるなら、夜間の電話とかファックスを止めなきゃならないし、人の出入りも駄目ですし、接待とかで飲みにいくのやめなさいって。
助手の頃だったか、3日間ほど食事を忘れていたことがありますね。プログラムをしていて。あんな幸せがまたあるでしょうか。
「レオマワールドは、『レジャーは大西にまかせなさい』の頭文字をとって、レオマになった」
「電気自動車はクリーンだ」と思っている人もずいぶん多い。しかし、発電所では重油を燃やして電気を起こしているわけですからね。
「やりがいのある仕事」というフレーズははたして本当なのでしょうか?森は子供たちに「勉強が好きになれ」なんて絶対に言いません。(中略)山は坂道が辛いから上がるのではありません。何が得られるのか、という客観性を常に持つべきでしょう。
森は幼稚園も小学校も中学校も、子供の運動会を見にいったことなんか一度もないです。そんな暇な大人って大嫌いなのだ。
まあ、カッコ良くいえば、生き方を見せるのが、子育てでしょうか。
子供にさせるくらいだったら、まずお父さんお母さんが、いろいろな経験をしてみましょう。その話を子供にしてあげて下さい。子供はそれがしたくなるでしょう。「したくなる」ことがきっと大切なのです(たぶんね)。
「よくアイデアを思いつきますね」などと言われることが多いのですが、そりゃあなた、考えてますもの。「一度、5時間くらいじっと集中して、1つのことを考えてみて下さい。誰だってアイデアの1つくらい出てきますから」とお答えしています。
飴にも負ける、風邪にも負ける。夏の暑さにも、冬の寒さにも負ける 毛の長い犬を持ち、翼はなく決して飛べない。
文章とは伝達記号であり、元来は他人との関係のために存在するものであるけれど、もしかして、それが自分のためにもなるだろうか。否、自分の中にも実は自分はたくさんいて、やはり、お互いに関係を持ちたがっている。
文章にするまでは、結局のところ我々は何も感じない、何も考えないのではないか。