読書の記録
毎日は笑わない工学博士たち 森博嗣, , 2012-06-12, だいたい、他人の生き方とか考え方を、そっくりそのまま自分に導入するなんてことは不合理だ。人はそれぞれ素養も環境も異なるわけで、アドバイスが、もし役に立つとしたら、それは、アドバイスを受ける側の人間が、それを役立たせようという姿勢を持っている場合に限られる。それは、教育における最も一般的な法則の1つだ。 誰でも自分の利益で動くのは当然です。 問題はそんなところにあるのではなくて、多数決による決定が必ずしも正しくない、という点です。このことを考えもしない人が多いのです。もし原発を自分の故郷に建てることに対して多数決を採るならば、あと10年しか生きられない人間よりも、30年生きる人、あるいはまだ生まれていない世代の意思で多数決を採らねばなりません。 子供と遊んでくれる大人よりも、学生の面倒を見てくれる先生よりも、夢中に生きている大人、夢中に研究している先生が、森は好きでしたからね。 The things spoken are not nessesarily the things we thought, but only the ones we wanted to think. Similarly, we think what we want to imagine, not what we have already imagined. たとえば、紙のリサイクルで重要なことは、古紙を集めることではなくて、みんなが高い再生紙を買うこと。さらに、紙を使わないこと。 森の認識では、誰でも多重人格です。それを1人の人間として辻褄を合わせるように演技しているのではないでしょうか。(中略)一頃流行った多重人格の場合、特徴的なのは「多重」性ではなく、相互の意思疎通が欠如している、あるいは、それを意識的に拒否している、という部分です。 どうすれば夢を実現できるか、ごく簡単に教えましょう。「無駄なことをしない」ですね。これに尽きます。あるいは、「無駄なことしかしない」でも、ほとんど同じです。つまり、することを減らすこと。 オリンピックをする人たちを非難しているのではありません。好きな人は好きなことをすれば良いと思います。ただ、それを全員の意見、国民の総意のように報道し、美化する。それに反発しているのです。 |
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