読書の記録『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』

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読書の記録


なぜ投資のプロはサルに負けるのか?

藤沢数希, , 2010-04-20, ***--

だいたい1年に7000~8000人程度のひとが交通事故で亡くなります。殺人事件とテロとドラッグとエイズの犠牲者をすべて足しても、この数字にはとうてい達しません。
よって日本国政府はこのような博打を法律で固く禁止しています。なぜ禁止しているかというと、宝くじや競馬のような、とてもぼろいもうけを自分たちで独占したいからです。
世の中、勝てば官軍なので、皆殺しにされた先住民が「俺達がもともと住んでたんだから、それは新大陸『発見』じゃなくて、『到着』にしたほうがいいんじゃないの?」と後からいちゃもんをつけたところでどうにもなりません。人類の歴史とはそういうものです。
理論株価=妥当なPER×予想EPS
市場原理は全員に競争を強いる弱肉強食的な面もありますが、結果的にはひとに最も優しい仕組みなのです。なぜならば、市場原理の元での競争というのは「他者に必要なものを提供して、どれだけ他者を幸せにできるか」という競争だからです。
実はプロ集団の運用成績を平均すると、サルがダーツを日経新聞の株式欄に投げてランダムに銘柄を選択して投資するよりも悪いのです。
投資のプロが、マネーゲームでライバルを出し抜いて大もうけしようと、市場で日夜活動しているからこそ、すべての会社に正しい値段がつくわけです。
市場にできた歪みをいち早く見つけてトレーディングというマネーゲームで富を創り出そうとするいわば金の亡者の行動が、市場の歪みを修復し、結果的に国民の利益を守るのです。
日本国政府はお金がぐるぐる回るたびに消費税やら所得税やら法人税やらの名目でどんどんピンハネしていきます。こうやって集められた税金は政治家や官僚の私利私欲を満たすために無駄遣いされた後、貧しい人たちに再分配されていくのです。
合成の誤謬とは、ミクロの視点で正しいことでも、それが合成されたマクロの世界では、かならずしも同じ理屈が通用しないことを指す経済学の用語です。
Only tow things are infinite, the universe and human stupidity, and I'm not sure about the former. Albert Einstein 無限なものはふたつあります。宇宙と人間の愚かさ。前者については断言できませんが。