読書の記録
先生はえらい 内田樹, , 2012-06-25, 恋愛というのは、「はたはいろいろ言うけれど、私にはこの人がとても素敵に見える」という客観的判断の断固たる無視の上にしか成立しないものです。 恋愛が誤解に基づくように、師弟関係も本質的には誤解に基づくものです。 道に窮まりなし。だからこそ人は独創的でありうる。 村上春樹:三者協議。僕は「うなぎ説」というのを持っているんです。僕という書き手がいて、読者がいますね。でもその二人だけじゃ、小説というものは成立しないんですよ。そこにうなぎが必要なんですよ。うなぎなるもの。 交換をするのは、交換によって有用な財が手に入るからではなく、交換することそれ自体が愉しいからである。これが私の考えです。 文章を先へと進める力は、ことばが思いを満たさないという事実だ、ということです。 居着きというのは、足裏が地面にはりついて身動きならない状態を指しますが、こういうふうに「相手がどうでるか?」という「待ち」の状態に固着してしまうのは、居着きの最悪の形態の一つです。「待ち」に居着いている人間は、絶対に相手の先手を取ることができないからです。 学ぶ者の定義とは、「自分は何ができないのか」「自分は何を知らないのか」を適切に言うことができないもののことです。 「そうすることで、あなたは何を伝えたいのか?」という問いを発することのうちに「学び」のアルファからオメガまでが集約されています。 私たちが「あなたはそうすることによって、私に何を伝えたいのか?」という問いを発することのできる相手が居る限り、私たちは学びに対して無限に開かれています。私たちの人間としての成熟と開花の可能性はそこにあり、そこにしかありません。 |
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