読書の記録『妄想銀行』

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読書の記録


妄想銀行

星新一, , 2011-08-29, ***--

人間というものは、他人のやっつけられたのや、自分のほめられたことはすぐに忘れる。しかし、自分がやっつけられたことは、なかなか忘れない。
ナンバー・クラブ 机の上のこの装置は、中央コンピューターセンターに有線でつながっているのだ。そこにはエヌ氏の過去の記録がすべて、テープにおさまっている。いま自分の番号をたたいたことで、それがよびさまされた。相手の男のも、またそうなった。中央コンピューターセンターは、二人の記録を電子作用で自動的にすばやく対照し、その共通したいくつかの事項のうち、最も新しい部分を、文字に打って知らせてくれたのだ。